銭湯絵がリニューアル!北町浴場を取材しました

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暑い・・・もうこの言葉は聞き飽きましたね(;^_^A

しかし、巷の飲食店では暑い夏にこそ、ホットでスパイシーなメニューをプッシュしていますよね?

そこで!私たちも、北町のホット&ほっとする場所「北町浴場♨」を紹介します。

取材のきっかけは、北町浴場の名物「銭湯絵」が6月下旬におよそ5年ぶりに描き変えられたとの情報が入ったからです。

 

早速、午前中の清掃時間にお邪魔して、新しい銭湯絵を見せていただきました。

まず女湯から。暖簾をくぐると・・天井の高い白い浴室の壁に、明るい水色の空と海にぽっかりと浮かぶ松島の風景がそこにありました。予想していた以上に鮮やかな色合い。空と海は大胆な印象なのですが、近づいてよく見ると松の枝や葉は筆による細かいタッチで繊細。

 

そして、女湯から、壁の向こう側、男湯に見える絵。これぞ銭湯絵、「白糸の滝」の後ろにそびえる「富士山」です。その白と黒で表現された迫力のある滝と、夏らしい富士山の構図に、写真を撮るのを一瞬忘れて見入ってしまいました。

 

あらためて女将の新井幸子さんにお話を伺いました。銭湯絵は、浴室内の壁や天井の塗り替えに合わせて描き換えているとのこと。描いているのは日本に3人しかいない銭湯絵師のうちの1人、北町2丁目在住の中島盛夫さん。湯船の上に足場を掛け、ローラーや筆を使い、男湯、女湯の2枚の絵を6時間程度で仕上げるのだそうです。

 

そして、「北町浴場」の魅力は「銭湯絵」だけではありません。建物は昭和45年頃に内装工事をしただけで、昭和30年当時の重厚な造りのまま。お湯は井戸水から薪で沸かしています。「配管が半世紀近く腐食せずに使えているのは水がいいから」と幸子さんは言います。

建物の裏手には薪が大量に積まれていました。業者が持ち込む薪は大きさがバラバラのため、それを釜に入る長さに整え、くべていくことになります。当たり前のことですが、これが毎営業日の作業で、特に夏はとんでもない暑さの中での作業。今年77歳になる幸子さんが手袋をはめ、軽々と長く重い薪を釜にくべていく姿に圧倒されました。

 

銭湯の営業時間は15時~23時。営業が終わってから掃除に1時間、90℃超まで上がっている釜のお湯を抜いて冷ましたりしていると、幸子さんが寝るのは26時になってしまいます。しかし、併設のランドリーが朝8時にオープンなのでそれほどゆっくり寝ている時間はありません。そして、朝から室内の清掃を行い、午後の営業時間を迎えます。想像以上に銭湯の仕事は重労働です。

 

幸子さんは続けます。「今は、商店街や都営住宅からのお客さんは少なくなりました。特に女性は19時以降はぱったりです。でも、1人暮らしの年配の方にとってお風呂を洗って沸かすことは大変なこと。常連さんがオープン時間前に並んで待っていらっしゃいます。運動を兼ねて入りに来て、私相手やお客さん同士で喋っていかれるんですよ。」

 

「体力が続かなくて本当に大変。私、あと10年やれないと思いますよ」とおっしゃるものの、幸子さんは本当にお元気!私も〇年後、幸子さんのように、かくしゃくとしたおばあちゃんになれたらどんなに素敵かと思いました。

取材当日は、「銭湯絵」の撮影があったので、営業時間前の訪問になってしまいましたが、次回は空いているという夕方から夜の時間にゆっくりお風呂に入りにきたいと思います。ぜひ皆さんも湯上りに1杯、珈琲牛乳おススメです!

 

<北町浴場>

住所 練馬区北町2-28-13

電話 03-3933-0580

営業時間 15:00~23:00(定休日:金曜日)