9月28日(土)、 北町アートプラザで開演された「第100回 北町寄席 柳家小きん独演会」を取材してきました。
まずは「北町寄席」のご紹介。北町寄席は「街の活性化と、地元でも気軽に落語を楽しんでほしい」との思いから「北町寄席世話人会」と練馬区在住の噺家 柳家小きんさんが2002年から始め、足掛け17年。今回、100回目の記念公演を迎えました。
では、「第100回記念 北町寄席」へとまいりましょう。
半世紀以上生きている私ですが、「寄席」なるものは初体験。
大人の暖簾をくぐるかのような、初心者の私をはっぴ姿の世話人さんが迎えてくれました。受付でチッケト代なる「木戸銭」 (響きがカッコいい!)を支払います。
次々と入ってこられるお客さんに互いに挨拶を交わし、長椅子に腰を下ろしていくお客さんの姿・・・地元ならではの優しい空気が流れます。
さあ、開演です。お囃子と共に小きんさんが登場して高座に座ると、一瞬にして空気が変わりました。
今宵の演目は「ねずみ」と「試し酒」。小きんさんの語りの中には「登場する人々」と「風景」がすぐそこにあり、落語ならではのきれいな言葉と美しい所作から描き出される人間模様に、何度も何度も笑いました。
演目の間では、特別ゲストの浪曲師 東家一太郎さんの浪曲も楽しみました。一太郎さんが浪曲の合間に掛ける「合いの手」のタイミングを教えてくださったのですが、三味線と独特の節と語りに圧倒されてしまったのと、浪曲初心者のお客さんが多く、微妙に?にズレて…お客さん同士顔お見合わせ大笑い。
100分の公演時間はあっという間に終了。「大人の粋」と「風情」を体感しながら、心地よい笑いの言葉を心に残し、会場を後にしました。
小きんさんからは、「この17年間で北町の方々のお顔も街並みも変わっていきましたが、北町の温かさは変わらない。寄席の2/3は常連さんと再度足を運んでくれたお客さん、1/3は新しく来ていただいたお客さんです。受け継がれていくもの、新しいものの融合が楽しみですね。100人100色の捉え方があると思います。落語を通して、つながりやひとつの輸になれることを楽しんでいただけたら。」
と、これからの北町への期待と共に、101回目への思いをお話いただきました。
また、北町寄席の開始当初から世話人のおひとりである、斉藤美代喜さんには、100回公演を終えた感慨深い思いと、101回目の告知をいただきました。
「北町の皆さんから、『本物の落語を身近で聞くことができて嬉しい』との言葉をいただいて、17年間続けてこられたこと、携われたことを誇りに思います。毎回楽しみにされている皆さんと、新しく北町にお住まいになられた方が出会えたら嬉しいですね。次回の101回公演では、一緒に小きんさんへ黄色い声援を贈りましょう」
最後に、小きんさんの温かな人柄が溢れる言葉をご紹介します。
「人が私を好きでいてくれる10倍、私は人が好きなんです。」
ノースファミリー実行委員会も、いつもそこに北町の人々の顔や思いを感じ、つながっていける情報を提供していきたいとあらためて思った秋の夜でした。
●第101回 北町寄席 柳家小きん独演会●
日 時:2019年11月30日 (土) 19:00開演(18:30開場)
会 場:北町アートプラザ (ミニストップの上)
木戸銭:当日1500円 (前売り1000円)
間合せ: 斉藤(ノエビア) 03-3931-6902